技能実習制度と特定技能を徹底比較

VS 技能実習制度と特定技能の比較

どちらの制度を活用して外国人材を雇い入れたらよいか

2019年4月よりスタートした新しい外国人材の受け入れ制度「特定技能」一体、今までの「技能実習制度」とは何が異なるのでしょうか。

技能実習(監理団体型)特定技能(1号)
関連法令外国人の技能実習の適切な実施及び技能実習生の保護に関する法律/出入国管理及び難民認定法出入国管理及び難民特定法
設立目的国際貢献人手不足
在留資格技能実習特定技能
在留期間・技能実習1号:1年以内
・技能実習2号:2年以内
・技能実習3号:2年以内
(合計で最長5年)
・1号: 通算で5年
・2号: 期限なし
対象職種82職種148作業(令和2年7月17日現在)14業種(2号は2業種のみ)
受け入れ国数15カ国二国間協定12カ国
※基本的には、全世界で受入れ可能
外国人の技能水準相当程度の知識又は経験が必要
入国時の試験
(介護業種のみ入国時N4レベルの日本語能力要件あり)
技能水準、日本語能力水準等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除)
送出機関海外政府の推薦又は認定を受けた機関
監理団体あり
(非営利の事業協同組合等が実習実施者への監査その他の管理事業を行う。主務大臣による許可制)
支援機関あり
(個人又は団体が受入れ機関からの委託を受けて特定技能外国人に居住の確保その他の支援を行う。出入国在留管理庁による登録制)
外国人と受入れ機関のマッチング通常監理団体と送出を投資手行われる受入れ機関が直接海外で採用活動を行い又は国内外のあっせん機関等を通して採用することが可能
受入れ機関の人数枠常勤職員の総数に応じた人数枠常人数枠なし(介護分野、建築分野を除く)
活動内容・技能実習計画に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動(1号)
・技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動(2号、3号)
相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動(専門的・技術的分野)
転籍・転職原則不可。ただし、実習実施者の倒産等やむを得ない場合や、2号から3号への移行時は転籍可能同一の業務区分内又は試験によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間において転職可能
永住権の付与付与なし付与なし
家族帯同不可・1号は不可
・2号は可能

技能実習制度(監理団体型)と特定技能(1号)の比較項目を徹底分析

関係法令

技能実習(団体管理型)では、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能自習生の保護に関する法律」が法令となります。
特定技能(1号)では、「出入国管理及び難民認定法」になります。

・技能実習制度は、国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度でスタートしています。

・特定技能制度」については、日本の人材不足に対応するための「労働力の獲得」が主になります。

在留資格

・技能実習(団体管理型)では在留資格「技能実習(1号・2号・3号)」

入国後1年目の技能等を修得する活動(第1号技能実習)、2・3年目の技能等に習熟するための活動(第2号技能実習)、4年目・5年目の技能等に熟達する活動(第3号技能実習)の3つに分けられます
第1号技能実習から第2号技能実習へ、第2号技能実習から第3号技能実習へそれぞれ移行するためには、技能実習生本人が所定の技能評価試験(2号への移行の場合は学科と実技、3号への移行の場合は実技)に合格していることが必要となります。

・特定技能制度では、在留資格「特定技能(1号・2号)」となります。

在留期間

・技能実習制度では、技能実習1号は1年以内、技能実習2号は2年以内、技能実習3号は2年以内と定められています(最長5年)

・特定技能(1号)では通算5年間とされています。
過去に「特定技能1号」で就労していた方を雇い入れる際は通算で5年ですので、在留期間に注意する必要があります。
特定技能(2号)では期限の制限はありません。

対象職種

技能実習制度では、82職種148作業(令和2年7月17日時点)

※令和2年7月17日に漁船漁業の棒受網漁業と印刷のグラビア印刷が追加となりました。

特定技能(1号)では、14業種
・特定技能(2号)では、2業種のみ

受け入れ国数

・技能実習制度では、15カ国
・特定技能(1号)では、二国間協定12カ国
※基本的には、全世界で受入れ可能

入国時の試験

・技能実習制度では、原則として試験はありません(例外的に介護職種のみ入国時でN4レベルの日本語能力要件があります)

・特定技能(1号)では、技能水準及び日本語能力水準を試験等で確認することが必要になります。技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除されます。

送り出し機関

・技能実習制度では、外国政府の推薦又は認定を受けた機関が「送り出し機関」として関与します。

・特定技能(1号)では、原則として受け入れ機関(雇用主となる日本企業)と外国人材との2者間が原則となり、「送り出し機関」の関与はありません。

監理団体

・技能実習制度では、「監理団体(※非営利の事業協同組合等が実習実施者への監査その他の監理事業を行う)」が実習の適確な実施を監督する機能があります。

・特定技能(1号)では、このような監督する機関の関与はありません。

法務省発表では、監理団体の数は「3,142団体」 令和2年10月21日現在
内訳 一般監理事業の許可 1,603団体
特定監理事業の許可 1,539団体

登録支援機関

・技能実習制度にはありません。

・特定技能(1号)にのみある制度として「登録支援機関」があります。
登録支援機関とは、個人又は団体が受け入れ機関からの委託を受けて、1号特定技能外国人に住居の確保その他の支援を行う機関です。出入国在留管理庁による登録制になっています。職務内容はあくまで外国人労働者の「支援」となります。

法務省発表では、登録支援機関の登録数は「5,241件登録」令和2年10月23日現在

外国人と受入れ機関のマッチング

・技能実習制度では、通常「監理団体」と「送り出し機関」を通じて行われます。

・特定技能制度では、受入れ機関が直接海外で採用活動を行い、又は国内外のあっせん機関等を通じて採用することが可能となっています。

受け入れ機関の人数枠

・技能実習制度では、受入れ機関の人数枠に制限があり、常勤職員の総数に応じて定められています。

・特定技能(1号)では、介護分野及び建設分野を除き、受け入れ機関ごとの人数枠に制限はございません。

活動内容

・技能実習制度では、「技能実習計画に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動(1号)」「技能実習計画に基づいて、技能等を要する業務に従事する活動(2号・3号)」と定められており、「非専門的・技術的分野」で就労しています。

・特定技能制度では、「相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動」と定めらており、「専門的・技術的分野」が主たる活動として認められます。

転籍・転職

・技能実習制度では原則認められず、例外的に実習実施者の倒産等やむを得ない場合や「技能実習2号」から「技能実習3号」への移行時にだけ転籍が認められています。

・特定技能制度では、同一の業務区分内又は試験によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間におけることを前提としつつ転職が可能とされています。

【特定技能と技能実習】どちらの制度で外国人材を雇用すべきか

外国人労働者の雇用をどちらの制度利用がよいでしょうか。

技能実習制度でしか外国人を雇用できない82職種148作業の職種があります。(令和2年7月17日時点)
一方、特定技能(1号)では、14業種(2号)では、2業種のみと限られています。

新しい外国人材の受け入れ制度で、且つ、雇用したい業種の方であれば、「特定技能制度」の方が、良いと考えます。

日本で長い雇用を考えた場合は、「特定技能制度」では5年しか働けませんが、「技能実習制度」の場合は、最長で10年働くことが可能(技能実習最長5年間と特定技能1号で5年間)です。
ただし職種により、技能実習最長3年間と特定技能1号で5年間の最長8年)

また、「特定技能」では転職も可能で、雇用の定着も問題になりますが、「技能実習制度」の場合は、転職できないので、雇用が安定するメリットが大きいと考えます。

コスト面について、「技能実習制度」は監理団体へ支払うコストが発生しますが、「特定技能制度」では費用はありません。
※「登録支援機関」に対して支援計画の全部の実施を委託する場合は別途費用が発生します。

また、入国後講習が義務付けられている「技能実習制度」に対し、「特定技能」に入国後講習の義務が義務でありませんので、コストが掛からない。

コスト面からすれば、「特定技能制度」の方がコストが安いと言えます。

「技能実習制度か特定技能か」の検討は、各々のメリットとデメリット等特徴を生かして決定されると良いでしょう。

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