技能実習制度と特定技能では、受入れ機関(企業)が負担する費用が異なります
技能実習生を雇用するためには、まず監理団体に入会しなければなりません。
監理団体型技能実習を雇用する場合は、最初に監理団体に加入しなければなりません。
ここで発生するおおよその費用としては、以下の表の通りとなります。
入会金(出資金) | 1万円~10万円 |
年会費 | 3万円~5万円 |
各監理団体で異なりますが、大まかな金額となります。技能実習生の受入れ数とは関係が無く定額金額となります。
技能実習制度のサポートを行っているJITCO(公益社団法人 国際研修協力機構)に加入であればコスト面の負担が大きくなります。
JITCOの加入は任意ですが、サポートを受ける場合は、年会費10万円から30万円(資本金の額又は出資の総額)が別途必要となります。
特定技能については、監理団体への加入はありません。
技能実習生面接の現地訪問費用
技能実習生の人選をするため、現地(海外)に渡航するための旅費です。
人選に必要な社員を2人派遣した場合、航空機代、宿泊代などで約35万円から40万円の費用が必要となります。最近では、ネットを使った面談が行われ現地に行く必要性も無くなっている傾向もあります。
特定技能についても、日本国内の外国人を特定技能の在留資格で雇用する場合や海外で特定技能として雇用する場合を想定したケースとなります。
項目 | 技能実習 | 特定技能(海外) | 特定技能(国内) |
紹介手数料(国内) | 0円 | 40~60万円(年収20~25%) | 30~60万円(年収20~25%)と固定金額方式があります |
紹介手数料(海外) | 0円 | 海外により異なる | 無 |
小計 | 0円 | 平均50万円 | 平均50万円 |
※紹介手数料(海外)は、紹介手数料(国内)に含んでいる場合もあります。
技能実習生の入国前教育費用
採用者が決まれば、様々な費用が発生していきます。
どのくらいの費用が発生するかは、技能実習生の場合は、母国の送り出し機関によって異なっていますので、参考にしてください。
項目 | 技能実習 | 特定技能(海外) | 特定技能(国内) |
書類作成・取次費用 | 4~5万円 | 15~20万円 | 15~20万円 |
入国前講習費 | 2万円 | 無 | 無 |
入国渡航費 | 4~6円 | 4~6万円 | 無 |
技能実習生総合保険 | 3~4万円 | 無 | 無 |
小計 | 13~21万円 | 19~26万円 | 15~20万円 |
技能実習生の入国後教育費用
技能実習生が入国し、入国後の教育を受けなければなりません。その費用は受入れ機関(企業)が負担しなければなりません。
項目 | 技能実習 | 特定技能(海外) | 特定技能(国内) |
入国後研修 | 8~10万円 | 無 | 無 |
講習手当 | 6~7万円 | 無 | 無 |
小計 | 14~17万円 | 無 | 無 |
技能実習生と特定技能の費用の違い
技能実習生と特定技能の費用の合算は下記の通りとなります。但し、監理団体や特定技能の紹介料等様々あり、金額も一律ではありませんので、複数の監理団体や人材紹介会社に見積もりを依頼するのをお勧めします。
項目 | 技能実習 | 特定技能(海外) | 特定技能(国内) |
合計 | 31~53万円 | 69~76万円 | 65~70万円 |
※面接の渡航費含んでいません。
技能実習生と特定技能を雇用した後の費用
技能実習生と特定技能を採用した後も費用も発生します。
項目 | 技能実習 | 特定技能(海外) | 特定技能(国内) |
監理団体の管理費 | 3~5万円 | 無 | 無 |
送出し機関管理費 | 1万円 | 無 | 無 |
登録支援機関 | 無 | 1.5~5万円 | 1.5~5万円 |
合計 | 4~5万円 | 1.5~5万円 | 1.5~5万円 |
※受入企業が、登録支援機関に委託しない場合、費用は発生しません。
その他、日本人雇用と同様に社会保険(会社負担分)が発生します。
まとめ
技能実習制度と特定技能の費用について纏めましたが、技能実習制度の方が受入れ機関(企業)が負担する割合が少ないと判断できます。また、入国後の監理団体の管理費と登録支援機関へ委託した場合のサポート費は安価な会社も存在しますので、サポート体制の内容やサービス体制等の確認が必要不可欠と思います。
良い人材を適正な金額で継続的に雇用するためにも、必要最小限度のコストがかかる点にも配慮が必要かと思います。
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