2019年4月から新たな在留資格「特定技能」で宿泊分野が外国人労働者を雇用できるようになりました。
今後、宿泊分野でどのような要件を満たせば外国人労働者を雇用することができるのかまた、注意点等ご説明したいと思います。
宿泊分野における求人状況について
宿泊分野に係る職業の有効求人倍率(平成 29 年度)は全国で 6.15 倍であり、また、宿泊業、飲食サービス業の欠員率(平成 29 年)は全国で 5.4 %となっており、宿泊分野では、現時点で既に約3万人の人手不足が生じているものと推計しているが、さらに、今後の訪日外国人旅行者の増加等に伴い、5年後(平成 35 年)までに全国で 10 万人程度の人手不足が生じると見込んでいる状況です。
宿泊分野における外国人労働者の受け入れについて
宿泊分野において、一定の専門性・技能を有し、その能力を用いたフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の様々な業務に従事する外国人を受け入れることにより、宿泊分野の深刻な人手不足の解決に繋げることが、当該分野の基盤を維持し、今後も発展させていくために必要不可欠としています。
外国人労働者人材の受入れ見込数
宿泊分野における向こう5年間の外国人労働者の受入れ見込数は、最大2万 2,000 人であり、これを向こう5年間の受入れの上限として運用する。
向こう5年間で 10 万人程度の人手不足が見込まれる中、今般の受入れは、毎年 2.8%程度の生産性向上を図るとともに、国内人材の確保のための取組を進めることにより、労働効率化(5年間で5万人程度)及び追加的な国内人材の確保(5年間で3万人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受け入れるものであり、過大な受入れ数とはなっていないとしています。
特定産業分野において求められる外国人労働者の基準に関する事項
技能水準(試験区分)
当該試験は、フロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の様々な業務について、定型的な内容であれば独力で実施できることを求めることとしており、これらの業務に係る技能・知識を確認することとしている上記試験の合格者は、業務において、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認めるとしています。
日本語能力水準及び評価方法等(特定技能1号)
国際交流基金日本語基礎テスト
日本語能力水準
当該試験は、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を判定するために国際交流基金が開発・実施する試験であるところ、これに合格した者については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められることから、基本的な日本語能力水準を有するものと評価するとしています。
日本語能力試験(N4以上)
日本語能力水準
当該試験に合格した者については、「基本的な日本語を理解することができる」と認定された者であることから、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を有するものと評価するとしています。
日本語能力水準を測る試験について日本語水準の試験に合格しなければなりません。試験内容については、下記を参照して下さい。独立行政法人国際交流基金の「日本語能力試験」介護日本語評価試験 (厚生労働省ホームページ)実習2号[…]
その他特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する重要事項
1号特定技能外国人労働者が従事する業務
宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務としています。
フロント業務
• チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配 等
企画・広報業務
• キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成、HP、SNS等による情報発信 等
接客業務
館内案内、宿泊客からの問い合わせ対応 等
レストランサービス業務
• 注文への応対やサービス(配膳・片付け)、料理の下ごしらえ・盛りつけ等の業務 等
あわせて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務務(例:館内販売、館内備品の点検・交換等)に付随的に従事することは差し支えない。なお、宿泊分野の対象は、以下の日本標準産業分類に該当する事業者が行う業務とするとしています。
特定技能所属機関に対して特に課す条件
- 宿泊分野においては、1号特定技能外国人労働者が従事する業務内容を踏まえ、旅館・ホテル営業の形態とするとともに、以下の条件を満たすものとしています。
・旅館業法(昭和 23 年法律第 138 号)第2条第2項に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者であること。
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 122号。以下「風俗営業法」という。)第2条第6項第4号に規定する「施設」に該当しないこと。
・特定技能外国人に対して風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。 - 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「宿泊分野における外国人材受入協議会(仮称)」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
- 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
- 特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
- 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、上記①、②及び④の条件を全て満たす登録支援機関に委託すること。
特定技能外国人労働者の雇用形態
外国人労働者は直接雇用に限るとしています。
宿泊分野における外国人材受入協議会について
宿泊分野における外国人材受入協議会について
国土交通省は、宿泊分野の特定技能所属機関、業界団体その他の関係者により構成される「宿泊分野における外国人材受入協議会(仮称)」(以下「協議会」という。)を組織する。
協議会は、その構成員が相互の連絡を図ることにより、外国人の適正な受入れ及び外国人労働者の保護に有用な情報を共有し、その構成員の連携の緊密化を図る。
また、特定技能所属機関は、以下の事項等について必要な協力を行うとしています。
- 1号特定技能外国人の受入れに係る状況の全体的な把握
- 問題発生時の対応
- 法令遵守の啓発
- 特定技能所属機関の倒産等の際の1号特定技能外国人に対する転職支援及び帰国担保
- 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析
外国人労働者在留資格「特定技能」宿泊分野についての問合せ先
官署名 | 住所・担当部署 | 連絡先 |
国土交通省観光庁 | 東京都千代田区霞が関2-1-2観光産業課観光人材政策室 | 03-5253-8367 |
北海道運輸局 | 北海道札幌市中央区大通西10観光部観光企画課 | 011-290-2700 |
東北運輸局 | 宮城県仙台市宮城野区鉄砲町1観光部観光企画課 | 022-791-7509 |
関東運輸局 | 神奈川県横浜市中区北仲通5-57観光部観光企画課 | 045-211-1255 |
北陸信越運輸局 | 新潟県新潟市中央区美咲町1-2-1観光部観光企画課 | 025-285-9181 |
中部運輸局 | 愛知県名古屋市中区三の丸2-2-1観光部観光企画課 | 052-952-8045 |
近畿運輸局 | 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76観光部観光企画課 | 06-6949-6466 |
中国運輸局 | 広島県広島市中区上八丁堀6-30観光部観光企画課 | 082-228-8701 |
四国運輸局 | 香川県高松市サンポート3-33観光部観光企画課 | 087-802-6735 |
九州運輸局 | 福岡県福岡市博多区博多駅東2-11-1観光部観光企画課 | 092-472-2330 |
沖縄総合事務局 | 沖縄県那覇市おもろまち2-1-1運輸部企画室 | 098-866-1812 |