【特定技能】素形材産業分野における外国人労働者受入について

2019年4月から新たな在留資格「特定技能」で素形材産業が外国人労働者を雇用できるようになりました。

今後、素形材産業分野でどのような要件を満たせば外国人労働者を雇用することができるのかまた、注意点等ご説明したいと思います。

素形材とは

「素形材」とは、素材に熱や力が加えられ、形が与えられた部品や部材のことをいいます。
具体的な素材としては、金属をはじめ木材、石材、窯材、ゴム、ガラス、プラスチックなどがありますが、最近ではファインセラミックス、複合材料も使われるようになりました。これら素材を素形材に変えるためには、鋳造、鍛造、プレス、粉末冶金などいろいろな材料加工法が使われます。
こうしてできた素形材はそのままか、わずかな機械加工により精密に仕上げて、製品となります。(一般財団法人素形材センターより)

業種

素形材産業の範囲

日本標準産業分類における番号及び名称

番号名称
2194鋳型製造業(中子を含む)
226鉄素形材製造業
235非鉄金属素形材製造業
2424作業工具製造業
2431配管工事用附属品製造業(バルブ、コックを除く)
245金属素形材製品製造業
2465金属熱処理業
2534工業窯炉製造業
2692弁・同附属品製造業
2651鋳造装置製造業
2691金属用金型・同部分品・附属品製造業
2992非金属用金型・同部分品・附属品製造業
2929その他の産業用電気機械器具製造業(車両用、船舶用を含む)
3295工業用模型製造業

素形材産業分野における求人状況について

平成 29 年度の人手不足数は、素形材産業に関連する有効求人数と有効求職者数の差から3万人であり、5年後には、年2%程度と予測される素形材需要の拡大とこれに伴う労働需要の拡大が続くと、6万 2,000人の人手不足が生じるものと推計しています。

素形材産業分野に関連する職業分類における有効求人倍率(平成 29 年度)は 2.83倍となっており、当該分野に係る職種における有効求人倍率(平成 29 年度)は、例えば、鋳物製造工 3.82 倍、鍛造工 4.32 倍、金属プレス工 2.97 倍となっている等、深刻な人手不足の状況にあります。

素形材産業分野における外国人労働者の受け入れについて

素形材産業分野は、様々な金属部品を製造・供給する等我が国製造業の根幹を担っており、我が国の国民生活に不可欠な分野であるところ、素形材産業の持続的な発展を図るためには、素形材産業について基本的な知識・技能を有し、現場の状況に応じて作業手順を自ら考え作業を実施することができる即戦力の外国人労働者を受け入れることが、当該分野の基盤を維持し、今後も発展させていくために必要不可欠であるとしています。

特定技能での外国人労働者人材の受入れ見込数

素形材産業分野における向こう5年間の外国人労働者受入れ見込数は、最大2万 1,500 人であり、これを向こう5年間の受入れの上限として運用する。

向こう5年間で6万 2,000 人程度の人手不足が見込まれる中、今般の受入れは、毎年1%程度の労働効率化(5年間で3万人程度)による生産性向上及び追加的な国内人材の確保(5年間で1万人~1万 5,000 人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受け入れるものであり、過大な受入れ数とはなっていないとしています。

1号特定技能外国人労働者が従事する業務

産業機械製造業分野において受け入れる1号特定技能外国人労働者が従事する業務は、試験区分及び定める業務区分に従い、試験合格又は技能実習2号移行対象職種・作業修了により確認された技能を要する業務をいう。

あわせて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(金属プレスの例:材料・製品の運搬、加工品の切削・ばり取り・検査業務等)に付随的に従事することは差し支えないとしています。
なお、産業機械製造業分野の対象は、以下の日本標準産業分類に該当する事業者が行う業務としています。
2422 機械刃物製造業
248 ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業
25 はん用機械器具製造業(ただし、2591消火器具・消火装置製造業及び素形材産業分野に掲げられた対象業種を除く。)
26 生産用機械器具製造業(ただし、素形材産業分野に掲げられた対象業種を除く。)
27 業務用機械器具製造業(ただし、以下に掲げられた業種に限る。)
270 管理、補助的経済活動を行う事業所(27業務用機械器具製造業)
271 事務用機械器具製造業
272 サービス用・娯楽用機械器具製造業
273 計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業
275 光学機械器具・レンズ製造業

特定産業分野において求められる人材の基準に関する事項

技能試験+日本語試験の試験に合格した者 または 素形材産業分野の第2号技能実習を修了した者を受け入れるものとしています。

技能水準(試験区分)

該当する作業内容の試験に合格すること。

試験名内容
製造分野特定技能1号評価試験(鋳造)鋳造(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、溶かした金属を型に流し込み製品を製造する作業に従 事)
製造分野特定技能1号評価試験(鍛造)鍛造(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、金属を打撃・加圧することで強度を高めたり、目的の形 状にする作業に従事)
製造分野特定技能1号評 価試験(ダイカスト)ダイカスト(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、溶融金属を金型に圧入して高い精度の鋳物を短時間で大量に生産する作業に従事)
製造分野特定技能1号評価試験(機械加工)機械加工(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断に判断により、金型を用いて金属材料にプレス機械で荷重を加えて、曲げ、成形、絞り等を行い成形する作業に従 事)
製造分野特定技能1号評 価試験(金属プレス加工)金属プレス加工(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、金型を用いて金属材料にプレス機械で荷重を加えて、曲げ、成形、絞り等を行い成形する作業に従事)
製造分野特定技能1号評価試験(工場板金)工場板金(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、各種工業製品に使われる金属薄板の加工・組立て を行う作業に従事)
製造分野特定技能1号評 価試験((めっき)めっき(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、腐食防止等のため金属等の材料表面に薄い金属を被覆する作業に従事)
製造分野特定技能1号評価試験(アルミニウム陽極酸化処理)アルミニウム陽極酸化処理(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、アルミニウムの表面を酸化させ、酸化アルミニウムの皮膜を生成させる作業に従事)
製造分野特定技能1号評価試験(仕上げ)仕上げ(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、手工具や工作機械により部品を加工・調整し、精度 を高め、部品の仕上げ及び組立てを行う作業に従事)
製造分野特定技能1号評価試験(機械検査)機械検査(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、各種測定機器等を用いて機械部品の検査を行う作業に従事)
製造分野特定技能1号評 価試験(機械保全)機械保全(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、工場の設備機械の故障や劣化を予防し、機械の正 常な運転を維持し保全する作業に従事)
製造分野特定技能1号評価試験(塗装)塗装(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、塗料を用いて被塗装物を塗膜で覆う作業に従事)
製造分野特定技能1号評 価試験(溶接)溶接(指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、熱又は圧力若しくはその両者を加え部材を接合する作業 に従事)

日本語能力水準及び評価方法等(特定技能1号)

国際交流基金日本語基礎テスト

日本語能力水準

当該試験は、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を判定するために国際交流基金が開発・実施する試験であるところ、これに合格した者については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められることから、基本的な日本語能力水準を有するものと評価するとされています。

日本語能力試験(N4以上)

日本語能力水準

当該試験に合格した者については、「基本的な日本語を理解することができる」と認定された者であることから、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を有するものと評価するとされています。

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技能試験

外国人労働者の雇用形態

外国人労働者は直接雇用のみとしています。また、派遣形態は認められてません。

特定技能所属機関に対して特に課す条件

  1. 特定技能所属機関は、「製造業外国人材受入れ協議会」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
  2. 特定技能所属機関は、協議会が行う一般的な指導、報告の徴収、資料の要求、意見の報告又は現地調査等その他に対し、必要な協力を行うこと。

製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会

外国人特定機能の協議会組織図

分野における外国人材受入協議会について

経済産業省は、産業機械製造業分野、素形材産業分野、電気・電子情報関連産業分野の特定技能所属機関、業界団体その他の関係者により構成される「製造業外国人材受入れ協議会」(以下「協議会」という。)を組織する。

協議会は、その構成員が相互の連絡を図ることにより、外国人労働者の適正な受入れ及び外国人の保護に有用な情報を共有し、その構成員の連携の緊密化を図るとともに、以下の事項について協議を行う。

  1. 外国人労働者の受入れ状況及び課題の把握並びに対応方策の検討
  2.  不正行為の抑止策及び再発防止策
  3.  構成員に対する必要な情報の提供その他外国人材の適正な受入れ及び外国
    人の保護に資する取組

素形材産業分野におけるQ&A

自分の事業所が特定技能外国人労働者を受入れることが可能か知りたい。
各分野の日本標準産業分類に該当する必要があります。
入管での手続き書類は?
入管での申請時には、誓約書に該当している旨を記載いただきます。
該当があれば、事業所内のどの製品製造工程でも特定技能外国人労働者を従事させることできるのか?
入管での許可が下りた分野の製品製造工程でのみ従事させることができます。
複数の分野のラインで従事してもらうことは可能か?
複数分野での申請を行い、許可がおりれば可能です。
業務区分(職種)「溶接」、作業「半自動溶接」で技能実習2号を修了し、技能検定随時3級に合格した外国人「Cさん(仮名)」について質問
Cさんに特定産業分野以外の分野の「溶接」作業に従事してもらうことは可能か
許可が下りた分野でのみ、従事が可能です。例えば、特定産業分野外である自動車の溶接を行うことは出来ません。
業務区分(職種)「金属プレス加工」、作業「金属プレス」で技能実習2号を修了し、技能検定随時3級に合格した外国人「Dさん(仮名)」について質問。
業務区分が「金属プレス」のDさんに「ばり取り」作業にも従事してもらうことは可能か
特定技能外国人は、技能実習の枠組みにとらわれず、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる業務に従事してもらうことが可能です。
例えば、Dさんは金属プレス以外に、材料・製品の運搬、加工品の切削・ばり取り・検査業務等にも付随的に従事することは差し支えません。ただし、金属プレスの作業をさせずに、付随的な業務(例えば運搬業務や検査業務等)だけに従事させるといったことは認められません。
自由に転職ができるのか?
業務区分が条件を満たしていれば、分野をまたいでも、またがずとも転職が可能です。
例えば、業務区分「プラスチック成形」、産業機械製造業の会社で就労している外国人は、同じく業務区分「プラスチック成型」で、産業機械製造業もしくは電気・電子情報関連産業の会社に転職することができます。

【参考】地方経済産業局へのお問合せについて(製造3分野)

部署名電話
北海道経済産業局地域経済部 製造・情報産業課011-709-1784
北海道経済産業局地域経済部 産業人材政策室022-221-4881
地域経済部 製造産業課022-221-4903
関東経済産業局産業部 製造産業課048-600-0313
中部経済産業局産業部 製造産業課052-951-2724
近畿経済産業局産業部 製造産業課06-6966-6022
中国経済産業局地域経済部 産業人材政策課082-224-5683
四国経済産業局【素形材産業、産業機械製造業】地域経済部 製造産業課087-811-8520
【電気・電子情報関連産業】地域経済部 地域経済課087-811-8513
九州経済産業局【一般的な問合せ】地域経済部 地域経済課(産業人材政策担当)092-482-5504
【素形材産業、産業機械製造業】地域経済部 製造産業課092-482-5442
【電気・電子情報関連産業】地域経済部 情報政策課092-482-5441
沖縄経済産業部地域経済課098-866-173017