2019年4月から新たな在留資格「特定技能」で外食業が外国人労働者を雇用できるようになりました。
今後、ビルクリーニングでどのような要件を満たせば外国人労働者を雇用することができるのかまた、注意点等ご説明したいと思います。
分野における人手不足の状況について
ビル・建物清掃員の有効求人倍率は近年高い水準で推移し、平成 29 年度には 2.95 倍に達しており、人材の確保が困難な状況となっています。
平成 27 年国勢調査によると、ビル・建物清掃員の職種においては、従業者のうち女性が 70.9 %を、65 歳以上の高齢者が 37.2 %を占めているなど、従前より、女性、高齢者を積極的に雇用しているが、近年の人手不足に鑑み、女性や高齢者が他分野で就労機会を多く得られるようになったためビルクリーニング分野を希望しなくなったことにより、人手不足が加速化していると考えられています。
ビル・建物清掃員の有効求人倍率の推移
年度 | 有効求人倍率 |
平成29年度 | 2.95 |
平成28年度 | 2.65 |
平成27年度 | 2.24 |
平成26年度 | 1.94 |
平成25年度 | 1.60 |
ビルクリーニング分野における外国人労働者人材受入の必要性について
人手不足によりビルクリーニング業務が適切に行われなくなれば、建築物の衛生状態が悪化し、利用者の健康が損なわれるおそれがあることから、その防止のために、特定技能外国人労働者の受入れが必要であるとしています。
また、ビル・建物清掃員の平成 29 年度の地域ブロック単位の有効求人倍率は、最も高い中国地方が 3.80 倍、最も低い東北地方が 2.03 倍であり、全国的に人手不足が深刻な状況であることから、特定技能外国人労働者の受入れが急務であるとされています。
特定建築物の推移
年度 | 棟数 |
平成29年3月末 | 45,251 |
平成28年3月末 | 44,801 |
平成27年3月末 | 44,353 |
平成26年3月末 | 43,876 |
平成25年3月末 | 43,351 |
平成25年3月末 | 42,905 |
人材不足によりビルクリーニング業務が適切に行われなくなれば、建築物の衛生状態が悪化し、利用者の健康がそこなわれるおそれがあることから、その防止のために、外国人の受入れが必要とされています。
外国人労働者人材の受入れ見込数
ビルクリーニング分野における向こう5年間の外国人労働者受入れ見込数は、最大3万7,000人であり、これを向こう5年間の受入れの上限として運用するものとしています。
向こう5年間で9万人程度の人手不足が見込まれる中、今般の受入れは、毎年1%程度(5年間で4万人程度)の生産性向上及び追加的な国内人材の確保(5年間で1万 3,000 人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受け入れるものであり、過大な受入れ数とはなっていないとしています。
想定する具体的な業務内容・技能水準
業務の範囲
対象は、多数の者が利用する建築物の内部を対象に、衛生的環境の保護、美観の維持、安全の確保及び保全の向上を目的として、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を行い、建築物に存在する環境上の汚染物質を排除し、清潔さを維持する業務をしています。
※住宅は除く
技能水準
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験(評価方法)
建築物の内部を対象に、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベルであることを認定するものとしています。
日本語能力水準及び評価方法等(特定技能1号)
国際交流基金日本語基礎テスト
日本語能力水準
当該試験は、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を判定するために国際交流基金が開発・実施する試験であるところ、これに合格した者については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められることから、基本的な日本語能力水準を有するものと評価するとされています。
日本語能力試験(N4以上)
日本語能力水準
当該試験に合格した者については、「基本的な日本語を理解することができる」と認定された者であることから、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を有するものと評価するとされています。
日本語能力水準を測る試験について日本語水準の試験に合格しなければなりません。試験内容については、下記を参照して下さい。独立行政法人国際交流基金の「日本語能力試験」介護日本語評価試験 (厚生労働省ホームページ)実習2号[…]
特定技能協議会について
協議会への参加について
特定産業分野「ビルクリーニング」において初めて外国人労働者を受け入れた場合には、在留資格が許可された日から4か月以内に、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になることが必要とされています。
ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員とならない場合には、特定技能外国人労働者の受入れができないことになりますので、注意が必要となります。
また、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員となった後は、同協議会に対して必要な協力を行うことが求められます。これらの協力を行わない場合にも、特定技能外国人労働者の受入れができないことになりますので、注意が必要となります。
厚生労働省に対する協力体制について
特定産業分野「ビルクリーニング」で外国人労働者を受け入れる事業者は、「ビルクリーニング」分野を管轄する厚生労働省が行う調査・指導・情報の収集・意見聴取その他の業務に対して、必要な協力を行うことが求められます。
活動内容
- 特定技能外国人労働者の受入れに係る状況の全体的な把握
- 問題発生時の対応
- 法令遵守の啓発
- 特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援
- 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析等
外国人労働者在留資格「特定技能」ビルクリーニング分野についての問合せ先
官署名 | 住所・担当部署 | 連絡先 |
厚生労働省医薬・生活衛生局 | 東京都千代田区霞が関1-2-2生活衛生課 | 03-5253-1111(内線 2432) |