コロナ禍で帰国困難の実習生らに宿泊研修 JICAなど【朝日新聞2021年8月22日】

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研修初日、受講生らは日本語のテストを受けていた=東京都渋谷区

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国際協力機構(JICA)などが今夏、技能実習生の外国人らに対する宿泊型の研修を実施している。コロナ禍で仕事を失って生活費などの捻出に困り、帰国もできずに困窮している人々の支援だ。

参加したのは、ネット上での募集に応じたベトナム人の技能実習生ら男女22人。元実習生の男性(32)は関東地方で3年、金属塗装の仕事をしていた。研修で日本語を学び、在留資格を特定技能に切り替えて再び職に就くことを望む。「お弁当作りなどの仕事で働きたい」と話す。

研修は7月下旬から8週間で、仕事に必要な日本語や日本文化の講座、キャリアセミナーなどを受講してもらう。農業や飲食料品の製造などの技術も学ぶ予定だ。宿泊先はJICA東京センターで、食事などの生活はNPOが支援する。

取り組み全体を主催するのは、昨秋に発足した官民連携の枠組み「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム」(JP―MIRAI)だ。JICAと、ビジネスと人権に取り組む一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーン(アスク)が共同事務局をつとめる。

JICAは、開発途上国の支援が目的の組織で、国内での支援は「所管外」との批判もある。ただし、国内での支援は民間頼みが多く、政府系機関のサポートの充実を求める声もある。

JICAには、滞在場所に関係なく必要な支援をする「内外一元化」を唱えた故・緒方貞子理事長のもとで、リーマン・ショック後に失職した日系ブラジル人らの支援を時限的におこなった実績もある。今回の研修も結果を検証し、今後の事業の検討をするという。

国の認可法人「外国人技能実習機構」にも監理団体の支援を受けられなくなった実習生の保護を担う役割があり、そのために提携した施設が全国にある。18年4月から20年3月まで相談のあった71人を受け入れ、宿泊および食事などの生活や、仕事の転籍支援をしたという。(藤崎麻里)

朝日新聞デジタル

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