技能実習生来日 待ちわびた入社 ベトナムの15人【朝日新聞2022年6月2日】

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先輩実習生の話を聞く新技能実習生たち=2022年5月18日、栃木市泉川町、中野渉撮影

新型コロナウイルス対応の「水際対策」が緩和され、県内でも、新たに来日した外国人技能実習生が働き始めている。栃木県栃木市の食肉加工品製造「滝沢ハム」でも5月18日、当初の予定より約2年遅れでベトナム人技能実習生15人を迎えた。今月も、新たな実習生が来る予定だという。

15人は2020年2月に面接を終え、半年後に入社するはずだった。オリエンテーションのため初出社すると、先輩のベトナム人実習生や日本人社員ら約20人に出迎えられた。

「面接から2年以上、長くお待たせしました。皆さんにお会いすることができてとてもうれしいです」

鈴木昌子・人事部長が笑顔で話しかけた。来日して3年半になるグエン・ヴィエット・ハーさん(27)も「厳しく仕事を教えてあげます。わからないことは周りの人にちゃんと聞いて下さい。みんな親切です」と日本語で話した。

同社は13年からベトナム人実習生を受け入れ、多い時は100人いた。コロナ禍の影響で減ったが、今もすでに50人以上が働いていて、市内3工場にいる働き手の約1割以上を占めるという。ベトナムで高校や大学を卒業した20代が多く、同社がアパートや家財道具、自転車を用意している。

来日後、15人は1カ月間日本語や生活習慣などの講習を受けた。オリエンテーションでも、鈴木部長が、近所の人たちにあいさつすることや騒音に気を付けること、自転車の乗り方などの注意事項を伝えた。

新入社員のラム・ヴァン・フンさん(23)は、取材に「ようやく来ることができました」と日本語でこたえた。来日を待っていた2年近くの間、独学で日本語を学んでいたという。

中部ダナン出身で、短大でコンピューターを学んだ後、レストランで調理の仕事をしていたという。「将来は母国に戻り食材や雑貨を扱う店を開きたい。日本では富士山に登りたい」

政府は今年3月から技能実習生らの新規入国を認め、入国者数の上限も段階的に引き上げてきた。

コロナの影響で、母国に帰れない実習生もいる。実習期間が終わっても、在留資格を「特定技能」や「特定活動」などに切り替えて働きたいと望む人がいれば、同社は引き続き社員として受け入れている。鈴木部長は「実習生は優しくて一生懸命働いてくれる大切な存在。日本で様々な経験をしてほしい」と話す。(中野渉)

朝日新聞デジタル

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