「仕事が嫌になり」実習先から逃亡、ベトナム人窃盗グループ、アパート同居し犯行繰り返す【読売新聞2021年2月10日】

阜県警合同捜査本部は、ベトナム人窃盗グループによるドラッグストアを中心とした万引き106件を摘発し、捜査を終結したと発表した。県警はこれまでに、ベトナム国籍の男10人(24~36歳)を逮捕、起訴。男らは、ベトナム人のSNSコミュニティーを通じて知り合い、アパートで同居するなどしながら、犯行を繰り返していたとみられる。

■「店員少なく狙い目」

 「ドラッグストアは店舗が広い割に、店員が少なく、狙い目だった」

 男らは、県警の取り調べに対し、ドラッグストアを狙う理由をそう明かしたという。

 県警によると、男らの大半は、技能実習生として来日したが、「仕事が嫌になった」などの理由で実習先から逃亡。生活が困窮し、犯行に手を染めていったとみられる。

 実行犯は、24~36歳の男9人。2019年10月から20年8月にかけ、岐阜や愛知など11県のドラッグストアやホームセンターで、化粧品や医薬品など計7533点(約1913万円相当)を万引きした。遠方の宮城県や山口県での犯行も含まれる。1件あたりの被害点数が多いことも特徴で、一度に230点(約58万円相当)を盗んだケースもあった。

 9人のうち3人は岐阜市内のアパートに同居。換金のため、盗んだ商品を埼玉県草加市でベトナムの商品を扱う店を経営する男(26)(組織犯罪処罰法違反で有罪判決)に売却し、銀行口座に代金を入金させていた。男は事情を知りながら盗品を購入し、母国ベトナムに化粧品を輸出販売していたとみられる。愛知県犬山市のアパートには4人が同居し、別の窃盗グループを形成していたことも分かっている。

■対応訓練や防犯指導

高級化粧品の窃盗事件を想定した万引き対応訓練(昨年10月、岐阜市内のドラッグストアで)
ドラッグストアを狙った県内の万引き犯罪率(人口10万人あたりの認知件数の割合)は18、19年と2年連続で47都道府県のうちワースト。20年の認知件数は552件で、前年の344件から急増した。被害総額は約5293万円で、1件あたりの被害額(約9万5900円)は全国ワーストだった。
県内のドラッグストアは450店あり、人口10万人あたりの店舗数は全国1位(2018年現在)。岐阜市には、約700メートルに5店舗が軒を連ねる「ドラッグストア街道」と呼ばれる道路も存在する。過去の万引きの容疑者が、「店員が声かけをしない店舗は盗みやすい」「高額商品を店頭に並べているチェーン店を集中的に狙った」などと供述したことから、県警は、県内のドラッグストアで万引き対応訓練を実施したり、本社で防犯指導を行ったりと、業界と連携して対策を進めている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210210-OYT1T50208/