実習生監理団体に賠償命令 熊本、意に反し帰国手続き【日本経済新聞2021年1月29日】

熊本県御船町の建設会社で技能実習生として働いていたフィリピン国籍の男性(32)が、契約外の作業をさせられ、強制的に帰国させられようとしたなどとして、受け入れ窓口となる監理団体の協同組合アーバンプランニング(岡山市)と建設会社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は29日、協同組合に55万円の支払いを命じた。

佐藤道恵裁判長は、上司に叱責された男性が帰国を望んだ発言はその後翻され、実習先の変更を希望したことから本意ではなかったと判断。意思確認が不十分なまま協同組合が帰国手続きを進めたことで「実習生としての権利が侵害された」とし、精神的苦痛の慰謝料を認めた。

原告は、契約外の作業をさせられ残業代も未払いだと訴えたが、判決は認めなかった。

判決によると、男性は2015年8月に来日。16年10月から建設会社で働き、18年1月に辞めた。別の実習先が見つからず、在留期限の18年9月に帰国した。

判決後の記者会見で原告代理人の松野信夫弁護士は「直接雇用関係にない監理団体の不法行為を認めた点は画期的だ」と話した。アーバンプランニングは「コメントは差し控える」とした。〔共同〕

日本経済新聞

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