SNSで情報収集「技能実習より賃金高い」…不法残留外国人、好待遇求め渡り歩き 摘発相次ぐ鹿児島県内【南日本新聞2020年11月14日】

鹿児島県内で今年、不法残留や資格外活動など入管難民法違反容疑で摘発される在留外国人らが相次ぐ。県警は10月末現在、前年比17人増の18人を摘発。会員制交流サイト(SNS)で情報を集め、好待遇を求めて県内外を行き来するケースが目立つ。新型コロナウイルスによる帰国困難でなく、在留期限を過ぎても出国しない不法残留者は近年、全国的に増加傾向にある。

 鹿児島市谷山地区をパトロールしていた鹿児島南署の警察官が6月中旬、不審な車を見つけ、フィリピン国籍の30代男を職務質問。技能実習生の在留期限が3カ月以上過ぎていたとして、不法残留の疑いで現行犯逮捕した。

■独自ネットワーク
男は県内の鶏舎建設現場で働いており、県警は資格外活動と不法残留の疑いで、同僚だったベトナム国籍の20~30代の男4人を次々と逮捕。5人は「SNSで知り合った人から紹介された。技能実習より賃金が高かった」と供述した。

 男らが資格外活動の許可を受けていないにもかかわらず報酬を得る活動に従事させたとして、県警は県外の会社社長らにも捜査のメスを入れた。不法就労助長の疑いで、愛知県の60代養鶏設備会社社長の男と、フィリピン国籍で50代のコンサルティング会社代表の女を8月下旬に逮捕した。

 養鶏設備会社社長の男は調べに対し「日本人はすぐ辞めるので外国人を雇った」と説明。コンサルティング会社代表の知人は「独自のネットワークがあり、全国から外国人を集めている」と南日本新聞の取材に答えた。

■もっと金稼げる
8月上旬には姶良署が不法残留の疑いで、元技能実習生でベトナム国籍の男5人を逮捕した。

 同署によると、元々5人は面識がなく、それぞれ別の県外の実習先を逃げ出していた。SNSを通じて県内で働き口を見つけ、姶良市で合流。民家やコンビニ駐車場にいたところを逮捕された。「もっと金を稼げると思った」などと供述した。

 国士舘大学文学部の鈴木江理子教授(移民政策)は「SNSの普及で他の実習生の様子を見聞きしたり、求人情報を把握したりすることで、(待遇など)入国前に抱いていた期待とは異なる職場からの“失踪”を選択する実習生がいる」と分析した。

〈不法残留者〉法務省によると、2020年7月1日時点の不法残留者は全国で8万2616人。国籍・地域別では、ベトナム1万5511人が最多で韓国1万2423人、中国1万300人と続く。在留資格別は、短期滞在5万1049人、技能実習1万2457人、特定活動(特定の研究者ら)5964人、留学5170人など。既に在留資格がないため摘発された場合、起訴、不起訴処分に関わらず入国管理局に身柄を引き渡され、一般的には国外へ送られる〉

南日本新聞

鹿児島県内で今年、不法残留や資格外活動など入管難民法違反容疑で摘発される在留外国人らが相次ぐ。県警は...…