湖西の未来は 市長選を前に(下) 外国人支援【中日新聞2020年11月7日】

習熟度別に日本語を学ぶ在住外国人ら=湖西市鷲津で

習熟度別に日本語を学ぶ在住外国人ら=湖西市鷲津で

製造業が盛んで、在住外国人の比率が5・86%と、県内では菊川市に次いで二番目に高い湖西市。新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう中、外国人らは回復の見通しが立たない経済情勢や、言語の壁から必要な情報が収集できない現状に不安を抱えている。
 湖西国際交流協会が毎週末実施する無料の日本語教室。市内在住の二十〜三十人ほどが、基礎、初級、中級の三クラスに分かれ、ボランティアの講師がきめ細かく指導する。「新型コロナの影響で、受講者の内訳が変わってきた」。そう話すのは九年の取り組みを見守ってきた事務局長の猪井英典さん(67)。
 東南アジア出身の技能実習生が減り、市内にもともといた中南米系の住民が仕事を探す目的で受講するケースが増えているという。「仕事は少なく、母国にも帰りにくい状況。顔を見せなくなった実習生らが孤立していないといいが」と心配する。
 ペルー出身で二〇〇四年に来日した主婦テベス・カテリネさん(34)=坊瀬=は、小学生と中学生の二児の母親。同国出身の夫の収入が減り、再就職を考えて十月に教室の門をたたいた。「子どものため働きたいが、以前より仕事が見つけづらい。面接で日本語が思うように話せないのがもどかしい」と口にする。
 一八年に来日したベトナム出身の技能実習生、チャン・ミン・トゥアンさん(24)=鷲津=は、経済状況の悪化で勤務時間が短縮された。「一人暮らしだから何とか生活できている。もし感染して病院に行ったら、自分の症状を伝えられるかも分からない」と、感染予防対策に気を使っている。
 県社会福祉協議会が生活困窮者に貸し付けている本年度の緊急小口資金は、十月末現在で市内での申請の56・8%が外国籍の住民だ。市外国人総合窓口でポルトガル語を通訳する堀野礼子さん(52)は「社協の貸し付け以外に、国の定額給付金や市のプレミアム商品券の買い方など相談を受ける機会は増え、新型コロナの影響を感じる」と話す。
 外国人支援には、市民の自主的な活動に依存する部分が大きい。県外では在住外国人の間でクラスターも発生するなど、予断を許さない状況は続く。市内に三千五百人いる外国人が安心して暮らせるような仕組みの構築が求められる。
 (この連載は鈴木太郎が担当しました)
中日新聞Web

製造業が盛んで、在住外国人の比率が5・86%と、県内では菊川市に次いで二番目に高い湖西市。新型コロナウイルス感染症が猛威…