日本語学校「存続の危機」 コロナ禍、新入生来日できず【静岡新聞2020年10月5日】

コロナ禍による入国制限の影響で空席が目立つ静岡インターナショナルスクール1年生の授業=1日、静岡市葵区

コロナ禍による入国制限の影響で空席が目立つ静岡インターナショナルスクール1年生の授業=1日、静岡市葵区

新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限措置で、静岡県内での進学などを目指す外国人学生のための日本語学校の経営が苦境に陥っている。ことし4月以降、新入生が途絶え、渡航できずに母国で待機する入学予定者をつなぎとめながら、10月から始まった政府の制限緩和に期待する。
「この状態が来年度以降も続くと、もたないかもしれない」。静岡インターナショナルスクール(静岡市葵区)の川島範士校長はため息をついた。
同校はミャンマーやインドネシアなどから例年、80~90人の入学生を受け入れている。ことしは4月に約35人、10月に約30人を迎える予定だったが、渡航制限を受けて実際に入学できた新入生は2人。制限前にミャンマーから入国して入学できた1年生の生徒(31)は「友達がいなくてさびしい。早く仲間と一緒に授業を受けたい」と話す。
川島校長は「入学予定者は母国で待機してくれているが、入学金の未納付者もいる」と話す。学生をつなぎとめようと、週1回オンラインで会話し、学習意欲の維持に努めている。
すでに日本で働いている外国人労働者にも対応する日本語学校として、新たな事業軸を探る動きもある。
静岡日本語教育センター(同区)は企業や自治体と提携して、「技能実習」の在留資格などで県内で働く外国人を対象にした日本語研修に力を入れている。市毛大輔理事長は「日本語を習得したいと考える外国人の幅広いニーズに対応する」と前を向く。
袋井市の日本語学校、TLS袋井は19年に新設された「特定技能」の在留資格に注目。特定技能は、介護など特定業種に限り、最長5年間滞在が可能となる。進路の選択肢として、特定技能の日本語試験への挑戦も後押ししていく方針で、八木栄次理事長は「経済状態の悪化で寮費を滞納する学生も増加し、18年の開校以来の危機。進路の選択肢を厚くし、幅広い学生を受け入れていきたい」と話す。

<メモ> 政府は10月、ビジネスや留学などの中長期の滞在資格を持つ外国人の入国制限の緩和を始めた。全国の日本語学校でつくる「日本語教育振興協会」(東京都)によると、最大1日千人程度とされる入国枠のうち、どのくらいの人数が各国の留学生に割り当てられるかは未定。担当者は「現状改善に向けて、関係機関と協議している」と話す。

@S[アットエス]

新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限措置で、静岡県内での進学などを目指す外国人学生のための日本語学校の経営が苦境に陥…