コロナで不当解雇、休業手当未払い 外国人労働者から上がるSOS【BLOGOS2020年8月22日】

新型コロナウィルスの影響で、不当解雇や休業手当の未払いなどの問題に直面している外国人労働者から助けを求める声が上がっている。

NPO法人「POSSE」は22日、そういった日本で働く外国人たちからの相談を英語や中国語、タガログ語など8ヶ国語で受けつける無料相談ホットラインを開催する。

外国人向け無料電話相談ホットライン
日時:8月22日(土)13〜16時電話:0120-987-215
メール:supportcenter@npoposse.jp対応言語:英語、日本語、中国語、タガログ語、モンゴル語、フランス語、オランダ語、アラビア語

前回の開催時には「給料が未払いで家賃を払うことができず、生活に困窮している」「契約期間の途中にも関わらず突然解雇を言い渡された」などの声が寄せられたという。

同NPOの岩橋誠さんは「外国人労働者の多くは言葉の壁もあり、泣き寝入りすることが多い。コロナを機に浮き彫りになった労働問題解決の一助になれば」と力を込める。

日本全国から相談450件 雇用調整助成金を利用せず休業手当を未払い

コロナの感染が拡大した3〜7月、POSSEのもとには日本全国の外国人労働者から約450件の相談が寄せられた。

そのほとんどが休業手当の未払いや不当解雇などに関する相談だったという。

労働基準法では、会社都合で労働者を休業させた場合、平均賃金の6割以上を休業手当として支払うことが定められている。
国はコロナ禍の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対して、休業手当の一部(一人当たり最大1日15,000円)を助成する特例措置を実施している。

しかし、雇調金制度を利用せずに休業手当を払わない会社や、契約期間中にも関わらず突然の解雇を言い渡す事業者に悩む外国人労働者は多い。

これまでPOSSEは日本語と英語での相談を受け付けていたが、これらの言語を話すことができない外国人も多いため、7月25日、中国語、タガログ語、モンゴル語、フランス語、オランダ語、アラビア語を加えた8カ国語による無料の電話相談会を開催。4時間で12件の相談が寄せられた。

休業手当が支払われず工場を退職の中国人実習生

「生活の困窮しています」

茨城県内の工場で働いていた40代の中国人技能実習生の男性はコロナの影響で工場が休みになったが、休業手当未払いのため退職を余儀なくされたと訴えた。その際、最終月の給料は支払われなかった。

東京都内に住むアフリカ出身の20代男性は、働いていた建設現場から突然、「仕事がないのでクビ」と言い渡された。男性は会社の寮に住んでいたため「行き場がない」と頭を抱えている。

岩橋さんは「非正規雇用が多い外国人労働者の場合、立場の弱さや言語の壁により泣き寝入りするパターンが多い」と話す。

経営悪化による解雇は法的な要件を満たしていなければならない。岩橋さんは、そういった正規の手続きを踏まずに一方的な不当解雇を言い渡す雇用者の多さを指摘する。
「外国人の場合、日本人よりも制度が複雑でわかりづらく、もし理解していたとしても会社と対等に話せないケースがほとんどです」

さらに技能実習生や留学生の場合、生活保護といったセーフティネットに頼ることもできない。

問題企業の多くが違法行為 解決しないケースはほとんどない

こういった相談を受け、POSSEは解雇撤回や未払い賃金の請求など外国人労働者の権利回復の支援を行なっている。

岩橋さんは「企業側のあきらかな違反行為が大半。きちんと取り組めば解決しないケースはほとんどない」と話す。

例えば、派遣社員としてアパレル店で働いていた20代のモンゴル人女性の場合、コロナによる営業不振で派遣先の店舗が閉店。
それを理由に派遣会社は4月中旬に、別の派遣先を紹介せずに労働契約の解除を通告した。女性の契約期間はまだ残っていた。

女性はPOSSEに相談後、労働組合による団体交渉を経て、6月、解雇撤回などの合意に至ったという。

岩橋さんは「諦めなければ多くが解決できる。ひとりで悩まずに相談してほしい」と呼びかけている。

日本人からも約3千件の相談 多くが女性の非正規雇用

コロナの影響によって浮き彫りにされつつある労務問題は外国人労働者に限ったことではない。

POSSEにはコロナ禍のもと、日本人から約3千件の相談が寄せられた。およそ7割が非正規雇用の女性からで、雇い止めなどに関する相談が多かった。

岩橋さんは「非正規労働者は非常事態に陥った時、まっさきに影響を受ける。雇用者は法律を守るという当たり前のことをまず守ってほしい」と力を込める。

一方、外国人労働者の場合、日本人に比べセーフティネットが限られていたり、言語の壁により受け取る情報が少なかったりすることも事実だ。

「今回、コロナ禍でよせられた相談はまだまだ氷山の一角。地域や職場で一緒にいる外国人がいたら困っていないか話を聞く姿勢を持ち、社会全体で人々の権利を守る意識を大切にしていってほしいです」

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