外国人労働者働きやすく、清水建設が人権保護を強化する理由【ニュースイッチ2020年8月19日】

現場の協力会社にも人権尊重の徹底を呼びかける

清水建設は国内外の外国人労働者がより働きやすい職場環境作りを目指し、人権尊重の取り組みを強化する。
人権侵害の実態把握に向け、2021年度に国内協力会社1300社やアジア地域を対象に本格的な調査を実施する。
建設業は今後、少子化による一層の人手不足が予想され、外国人技能実習生ら外国人が重要な労働力となる。
ESG(環境・社会・統治)投資の広がりで、企業の人権尊重に対する投資家の目が厳しくなる中、対応を徹底する。

清水建設は18年12月、差別やハラスメント、児童・強制労働の撲滅などを柱とした「シミズグループ人権基本方針」を策定。
20年4月、清水建設はサプライチェーン(供給網)の観点から協力会社との基本契約約款に、「人権基本方針」を追加。
同7月に立ち上げた協力会社専用情報サイトにも「基本方針」を盛り込み、1次協力会社を対象とした研修でも、2次・3次の協力会社にも人権尊重の徹底を呼びかける。

さらに21年度にも1次協力会社1300社を対象にアンケートを実施する方針。各社に基本方針の周知徹底を図った上で、人権侵害の課題を探る。

これに先立ち19年10―12月、同社は協力会社10社を対象に、中国やベトナム、フィリピンなどからの外国人技能実習生30人の受け入れ状況などを調査。
賃金・残業代の支払い状況や契約書類の確認に加え、実習生の聞き取り調査などを実施。
調査結果では、会社側が実習生にスマートフォンや自転車の貸与、食料品の提供などの手厚い支援がみられた一方、契約書や就業規則などの書類が日本語表記だけだったり、緊急時の連絡方法の説明が不十分など法律に抵触しない範囲での課題が浮き彫りになった。

また、国内建設需要の減少が見込まれることから、海外受注の増加が予想され、グローバル化に伴いESG経営の重要性が高まっている。
同社は20年度中にも、進出先のインドネシア、ベトナム、フィリピン、インド、台湾などを対象に国際的な機関や人権団体のデータなどを基に、人権リスクを国別ランキング形式で明確化する。

さらに、新型コロナウイルスの感染が落ち着いた状況を確認した上で現地調査も行う。
調査結果を活用することで、海外事業の持続的な成長につなげる狙いもある。
橋川隆則人事部人権啓発グループ長は、「多くの外国人に選ばれる職場環境の整備を急ぐ必要がある」としている。

日刊工業新聞2020年8月19日

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