長雨でレタス急騰 2週間で5倍 収穫3割減、コロナ…「二重の苦しみ」 長野【毎日新聞2020年7月31日】

例年だと88円か98円のレタスが、今年は倍以上に高騰している=長野県佐久穂町畑のマルヒデ八千穂店で2020年7月30日午前8時59分、坂根真理撮影

1キロ60→300円に

 青果卸売会社「長印」(長野市)によると、レタスの卸売価格は新型コロナウイルスの影響に伴う需要の落ち込みなどもあって7月上旬までは1キロ当たり60円程度の低価格を付けることもあった。
ところが6月下旬から天候不良が続いたことで、7月下旬には1キロ300円程度まで高騰しているという。

 同社の土屋智・執行役員は「生産調整が必要なレベルの低価格から、消費者が手を出しにくくなる価格まで一気に上昇した」と驚く。
今後の見通しについては「お盆あたりまでは高値で推移しそうだ。今年は新型コロナの影響で需要の見通しが不透明で、需給両面から値段の動向がつかみにくい」という。

「おいしい季節なのに」

八ケ岳の裾野に広がる南牧村は日本有数のレタス産地。広々としたレタス畑が広がる=長野県南牧村で2020年7月30日午後3時37分、坂根真理撮影

生産者にとっては新型コロナに続く苦境だ。高原野菜の国内有数の生産地、川上村でレタス農園を営む「ベン・ファーム」の高見沢勉代表は「レタスにとって雨は天敵で病気のもと。
これほど長期にわたって雨にたたられるのは最近では記憶にない」と声を落とす。

 春先には収穫を担う外国人技能実習生が新型コロナの影響で来日できず、近隣企業の協力を得るなどして人集めにめどがついた直後の長雨だった。
ほとんどのレタスが規格の大きさまで育たず、単価の低い「イロモノ」を出荷しているという。
今が収穫のピークだが収穫量も3割ほど落ち込み「まさに二重の苦しみ。天候が回復してからも2週間ほどは影響が残りそうで、レタスがおいしい季節なだけに残念」と嘆く。

 地場スーパーのデリシア(松本市)によると、レタスだけではなくニンジンやジャガイモなど野菜全般が高騰。
企業努力で小売価格を抑えたり、小分けにして販売するなど消費者が買い求めやすい工夫をしているという。担当者は「営業的には厳しいが、消費者の利益となる努力を重ねていきたい」と話す。

 スーパー「マルヒデ八千穂店」(佐久穂町)の責任者は「例年だと88円か98円ぐらいなのに、10日前ぐらいから高騰している。お客さんもだけど、農家も大変」と話した。

 長野地方気象台によると、6月25日ごろから日照不足が始まり、7月21日までの約1カ月間は県内の観測地点で日照時間が平年比50%程度にとどまるところが多かった。
8月前半までは日照時間が短く降水量が多い予報となっており、引き続き農作物の管理に十分な注意を呼び掛けている。

毎日新聞

 長野県が全国一の生産量を誇るレタスの価格が急騰している。6月末から続く長雨と日照不足が生育を阻んでいることが原因。卸売…