寺院が心のよりどころ コロナ禍で失業の外国人【共同通信2020年7月31日】

新型コロナウイルスの感染拡大は、外国人労働者の雇用に大きな影響を与えている。失業への不安が現実となる中、積極的に支援に回るのは在日外国人が以前から通う寺院や教会だ。
働き口の紹介や心のケアに当たり、「精神的なよりどころ」になっている。

「コロナで業務を縮小するため、雇えません」。3月、ベトナム人技能実習生ド・ティ・トゥ・フォンさん(23)は、突然の内定取り消しに青ざめた。
来日で多額の借金を抱え、所持金はほぼゼロ。在日ベトナム人を支援するNPO法人「日越ともいき支援会」(東京都港区)に相談、同法人が活動の足場にする寺院に駆け込んだ。
「どこの会社も大変だけど、母国で暮らす家族のために早く働きたい」。寺院に寝泊まりしながら新たな就労先を探し続けている。

「会社が倒産して住む家がない」「1日1食で苦しい」「授業料を払えない」―。実習生だけでなく、アルバイトのなくなった留学生からも切実な声が相次ぐ。
同寺院は困窮するベトナム人を8人受け入れ、マスクや米などの支援物資を寄付で約千人分集めた。

厚生労働省によると、2019年10月末時点で国内の外国人労働者は約166万人。
うち約4割がコロナ禍の影響を受けた製造業や宿泊業、飲食サービス業に従事する。

支援会代表で尼僧の吉水慈豊(よしみず・じほう)さん(50)は、「外国人労働者は雇用の調整弁ではない」と安易な“コロナ切り”に警鐘を鳴らす。
「彼らが夢見た異国での生活は一変した。少しでも安心を与えたい」と力を込めた。

(写真と文=泊宗之共同通信写真記者)

*写真・記事の内容は2020年5月19日までの取材に基づいたものです。

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