SNSにあふれる勧誘 ベトナム人を犯罪に引き込む厳しい現実【日刊ゲンダイ2020年7月10日】

彼等は「日本で働けば返済できるー」と借金を抱えて来日する(ベトナム・ハノイの街)

【コロナ禍が生む「嫌日外国人」】#19

実習生や留学生の増加によって、在留ベトナム人の数は41万人を超えるまでになった。
7年間でざっと8倍である。それに伴い増えているのが犯罪だ。

警察庁によれば、2019年のベトナム人の検挙件数は6040件。
国籍別でトップとなった17年から約900件増えた。
在留外国人の14%を占めるベトナム人が、全体の35%もの犯罪を起こしているのだ。
万引では3件に2件、窃盗は半数近くがベトナム人の犯行である。
ちなみに在留中国人の数はベトナム人の2倍近いが、検挙件数は1500件以上も少ない。

外国人の総検挙件数は前年から約1000件増加し、1万7260件だった。
近年、日本で暮らす外国人は増え続けているが、犯罪はピーク時の05年の3分の1程度。
つまり人数と犯罪件数に因果関係はない。ただし、ベトナム人など特定の国の出身者に限って法を犯す人が目立つのだ。

検挙されたベトナム人の在留資格は、「実習」が43%、「留学」が34%に上った。ベトナム出身の実習生は22万人、留学生は8万人だ。
両者には共通点がある。ともに多額の借金を背負い来日していることだ。

ベトナム政府は実習生の送り出し機関に対し、実習生から徴収する手数料の上限を3600ドル(約39万円)と定めている。
だが、全く守られていない。政府の担当者に賄賂を払えば、取り締まりの対象にならないのだ。
実際、送り出し機関に100万円近い手数料を支払う実習生も少なくない。

留学生に至っては、さらにひどい。留学斡旋業者への手数料に加え、受け入れ先の日本語学校の学費負担も生じるので、費用は150万円前後に上る。
実習生と同様、留学生にも現地の貧しい層が多い。
そのため費用を自腹でまかなえず、借金に頼ることになる。日本で働けば返済できると考えるのだ。

しかし、現実は厳しい。実習生の給与は、手取りで月10万円程度。
留学生もアルバイトの法定上限「週28時間以内」を守っていれば同程度しか稼げない。
しかも留学生は借金返済に加え、翌年の学費の支払いもあるため、入管当局の取り締まりに怯えながら違法就労に手を染める。

ベトナム人が大好きなSNSを見れば、母国語での犯罪の誘いにあふれている。
手っ取り早く借金を返済しようと犯罪に走る者がいても不思議ではない。だからベトナム人の犯罪が増えるのだ。

コロナ禍で困窮留学生が増えている。彼らが罪を犯すことがあれば、借金漬けで来日させ、低賃金の重労働に利用してきた日本側の責任も大きい。

(出井康博/ジャーナリスト)

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 実習生や留学生の増加によって、在留ベトナム人の数は41万人を超えるまでになった。7年間でざっと8倍である。それに...…